掛け軸で和の部屋を演出する

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掛け軸は和空間に欠かせないインテリアのひとつですね。掛け軸があると、それだけで四季折々を演出することができます。洋風に言えばポスターのような存在の掛け軸。手軽に部屋の雰囲気を変えるアイテムだけでなく、和空間を演出するアイテムとしても注目がされています。

掛け軸の歴史

掛け軸は中国の北宋時代に掛物として用いられていました。日本では飛鳥時代に仏画として伝えられています。元々は「掛けて拝する」という目的のために用いられていましたが、鎌倉時代後期に流行した水墨画の流行しくと共に、本来の目的の「掛けて拝する」という意味は薄れていきました。日本画では水墨画などの独立した芸術品を花鳥風月として完成させるようになりました。

室町時代以降では茶の湯の席で座敷の床の間に水墨画の掛け軸が多く見られるようになります。江戸時代に明朝式表具が日本に入り、文人画に文人表装などで掛け軸が華やいでいきました。

明治・大正期は日本画の隆盛により、掛け軸も大きく飛躍していきました。しかし昭和に入ると絵画を愛でる時代背景が減り、掛け軸の需要も減っていきました。

掛け軸の掛け方

掛け軸を掛けるときは、矢筈や掛物棹と呼ばれる道具を使います。フックや釘などだ高い位置にある場合には、高さを調節可能な自在掛けを介する。

  1. 巻緒をほどき巻紙を取り、風帯を舌に伸ばして折りぐせを直す。
  2. 軸全体を横にした状態にして、左手で真ん中を受けて餅、掛緒の真ん中を矢筈で上に伸ばして釘に掛ける。
  3. 矢筈を抜き、両手で軸先を垂らす。
  4. 表具の高さや左右のバランスを点検し、風鎮を掛ける。

掛け軸の保管方法

掛け軸は湿気や乾燥が苦手なので、強い冷暖房や直射日光の当たる場所や、湿気の多いところに保管するのは不向きです。三日に一度を目安に掛け軸を外し、巻いて休ませることで掛け軸を長持ちさせられます。また、年に二度、天気のよい日に虫干しをするようにします。

掛け軸も着物も湿気が苦手という点で、保管の方法が似ています。大切な和道具を長持ちさせるために、丁寧な取り扱いを心がけたいですね。



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