中国から伝わった ういろう

中国から伝わった ういろう

米粉などに砂糖を練り合わせて作られたういろう。小田原、名古屋、京都、山口などの地域で名物になっていますが、原材料や製法は地域によって異なります。おみやげやお茶請けとして食べられることが多く、現在でも愛される和菓子です。

ういろうの歴史

地域によって原材料や製法が異なるういろう。鎌倉時代初期に元から渡来した薬売りが、作り方を伝えたものですが、名前が不明だったために薬売の官職の名前がつけられたそうです。
また、色が外郎薬に似ている、元から亡命した陳宗敬が外郎役を献上した際に口直しに添えた菓子という説もあります。

ういろうを商品として売りだしたのは京都のお店で、その後各地に同様の菓子が現れました。

ういろうの種類

ういろうは米粉やわらび粉、小麦粉などを原料に使用します。そこに砂糖を加え、蒸して冷やしたものです。現在のういろうも室町時代の頃から存在する黒砂糖を用いた黒糖ういろうが本来の姿と考えられています。

地域ごとのういろうの特徴

江戸時代には日本各地に製法の広まっていたういろう。原材料や製法は地域によって異なり、味、食感、見た目など様々な種類が存在しています。

• 小田原ういろう：外郎薬を製造する小田原外郎家が、外郎家の分家として始めたもの。外郎薬と区別するために「お菓子のういろう」と呼ばれている。
• 名古屋ういろう：うるち米から出きる米粉を主成分として使用することが多い。
• 伊勢ういろう：原材料に小麦粉を使用している。防腐剤を使わない生ういろう。
• 山口ういろう：わらび粉に砂糖を加えたういろう。わらびもちを彷彿させる癖のない、とろりとした食感が特徴。
• 徳島ういろう：独特のもっちりした食感と小豆の深い味が特徴。「阿波ういろう」と称され、和三盆や栗を使用したものもある。